政治家の耳（Politician’s ear）

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政治家の耳はお金でふさがっている？

この風刺画は、「政治家の耳（Politician’s ear）」というテーマで描いたものです。
タイトルにある通り、政治家の「耳」に象徴的な意味を込めており、現代政治における権力と金銭の結びつきを視覚的に表現しています。
特に今回は、政治家の“聞くふりをする耳”に焦点を当てました。

TOPの左の風刺画では、スーツ姿の政治家が大衆の声に耳を傾けるふりをしていますが、耳には札束が詰まっており、実際には聞こえていないという構図です。
これは、民意を無視して自分たちの利益だけを追求する政治家の姿を表しています。

中央の風刺画では、より強調された怒りの表情とともに、耳から飛び出すほどの札束を描きました。
まるで耳が“金の風車”のようになっており、演説の内容よりも、いかに金の流れが耳に届いているかを象徴しています。
この構図は、政治資金やロビー活動の影響力を強く意識して描いたものです。

右側の風刺画では、満面の笑みを浮かべる政治家が、両耳に扇のように広がる紙幣を飾って登壇しています。
この人物は聴衆の前で好感度をアピールしながらも、その耳にはやはり札束が。
つまり、表面上は民意に耳を傾けているようでいて、実際には金の声しか聞いていないという、皮肉を込めています。

このように、三つのシーンを通して「耳」という器官が、政治家にとって本来の“聞く”役割を果たしていない、という矛盾を表現しました。

この風刺画を描くうえで最も重視したのは「視覚的インパクト」と「寓話的要素」の融合です。
ただ批判するだけでなく、見る人がユーモアを通して現実を直視できるような構図を目指しました。

まず、「耳に札束が詰まっている」という描写は、非常に直感的でストレートなメッセージです。
本来は音を聞くための器官に金が詰められているというのは、いかに政治家たちが金銭的な圧力に左右されているかを象徴しています。
これは、日本だけでなく世界各国の政治にも通じるテーマで普遍性を意識した表現です。

次に、群衆の反応にも注目してください。
左の風刺画では怒りに満ちた人々が声を張り上げていますが、政治家は全く動じません。
この「聞くふりをする無反応さ」こそが、私が描きたかった政治の鈍感さです。

また、中央の絵では政治家の耳が誇張され、金を“聞き取るアンテナ”のようになっています。
これは、企業や特定団体の声には敏感に反応する一方で、庶民の声には無関心である現実を皮肉っています。

さらに、右の風刺画では意図的に笑顔を描いています。
これは、政治家がいかに「国民の味方を装っているか」を表現したものです。
聴衆は拍手を送っていますが、その背後にあるのは見えない取引や裏金かもしれません。
つまり、「笑顔の裏に隠れた耳の金」が、政治の二面性を示しています。

この風刺画は、見る人によってさまざまな受け取り方ができるように構成しました。
ただの批判に終わらず、現代社会における政治参加の意義や、透明性の重要性を考えさせる一枚にしたいと思っています。

人生は短い（Life is short）

政治家の仕事（Political work）