いいね!中毒とは?
この風刺画について
この風刺画「いいね!中毒」は、SNSがもたらす「承認欲求依存」の問題をテーマにした作品です。
現代社会において、多くの人々がスマートフォンを手放せなくなり、SNSの「いいね」やコメントの数によって自己価値を計ってしまう傾向があります。
この作品では、そうした心理的依存の怖さや、心の不安定さを視覚的に強調し、現代人に警鐘を鳴らしています。
TOPの風刺画は3つのシーンから構成されています。
左の風刺画では、スマートフォンを凝視する若者が、大量の「いいね!」アイコンに囲まれてパニック状態になっている様子が描かれています。
この風刺画は、「通知」に反応する条件反射のような依存状態を象徴しています。
通知が来ないと不安になり、来すぎると逆にストレスになるという、現代のジレンマを表現しています。
中央の風刺画では、SNSにどっぷり浸かってしまった若者が、疲れ切った顔で画面を見つめています。
彼のTシャツには「SNSA(Social Network Stress Addiction)」というパロディ的ロゴが描かれており、SNS中毒が新たなストレス源であることを示唆しています。
背景には「いいね」や「ハート」のアイコンが過剰に配置され、情報の洪水に圧倒される感覚を視覚化しています。
右の風刺画では、PCの前で震えるように手を組む若者が登場します。
彼の周囲にも「いいね」マークが飛び交い、食べかけのお菓子やドリンクが放置されたままになっています。
これは、「日常生活がSNSに侵食されている」状態を描いたものです。
睡眠や食事よりも「バズる」ことが優先される価値観の危うさを表しています。
この風刺画では、「いいね!」そのものが悪なのではなく、それに依存しすぎることが問題であるという点に焦点を当てています。
私自身もSNSの利便性は大いに認めていますが、だからこそその裏にあるリスクについて、作品を通して考えてほしいと思い制作しました。
風刺画のポイント
この風刺画を制作するうえで、最も意識したのは「中毒」というテーマを、過剰な誇張や否定的な描写に偏らず、視覚的に伝えることです。
SNSに依存する姿を単に馬鹿にしたり皮肉るのではなく、「誰にでも起こり得る問題」として描くことを心がけました。
そのため、キャラクターの表情には極端な怒りや嘲笑を避け、混乱・不安・焦燥といった複雑な感情を込めました。
特に中央の人物の目線や表情にはこだわりました。
彼の顔には汗と疲労が滲み出ており、目は充血し、手は頬に食い込んでいます。
これは「情報に飲み込まれる人間」のイメージを強調するためです。
背景の「いいね」アイコンも、心地よい評価ではなく、むしろ「ノルマ」「義務感」に変化している様子を象徴しています。
色彩においても工夫を施しました。
「いいね」アイコンは明るい赤で統一し、キャラクターの肌や服の色はくすんだトーンにすることで、現実とSNSの乖離を表しています。
この色彩のコントラストにより、「華やかな世界に見えて、内面は疲弊している」というメッセージが自然に伝わるように設計しています。
また、右のシーンでは「生活が崩れる様子」を細部で描いています。
食べかけのマフィン、散らかったテーブル、飲みかけの缶など、小物を通して日常生活の乱れを視覚化しています。
こうした細かいディテールが、鑑賞者に「自分にも思い当たる節がある」と感じさせる仕掛けになっています。
さらに、画面全体に共通して「中毒的反応」を描いていますが、それは薬物依存などと同じく「報酬回路」に働きかけるSNSの仕組みを意識しているためです。
ユーザーが意識しないうちに「通知」や「いいね」に反応する脳の構造を、視覚的に表現しました。
これは単なる精神論ではなく、行動心理学やデジタル・ウェルビーイングの知見を参考にしています。
AIが描いた「いいね!中毒」
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